保守を偽装する者を批判し、本来の保守とは何か、を三島由紀夫の発言を元に説明されています。
「ひとことで言えば、<人間理性に懐疑的であるのが保守>です。抽象的なものを警戒し、現実に立脚する。人間は合理的に動かないし、社会は矛盾を抱えていて当然だという前提から出発する。」
そして啓蒙主義、進歩史観を批判する。
「啓蒙思想とは、理性の光により未開な人間の<蒙を啓く>という運動ですが、おこがましいにも程がある。(中略)つまり歴史には法則があるという妄想です。」
安倍首相・橋下徹批判、民主主義(議会制でない)等の現代的問題点も分かりやすく書かれています。
主に三島由紀夫の発言から、明快な論調で、戦後から現代における問題を浮き彫りにし、どのように考え、生きるべきかを学べる本です。
三島由紀夫「われわれは自分が遠い遠い祖先から受け継いできた文化の集積の最後の成果であり、これこそ自分であるという気持ちで以って、全身に自分の歴史と伝統が籠っているという気持ちを持たなければ、今日の仕事に完全な成熟というものを信じられないのではなかろうか。」
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- 感想投稿日 : 2017年7月11日
- 読了日 : 2017年7月11日
- 本棚登録日 : 2017年7月11日
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