新撰組のお話。時代小説の分野は私自身の知識が少ない為、言葉や世相など背景が掴みづらく少し苦手なのですが、この作品は暫く読みすすんでいくうちに、すっと馴染んできました。すると面白い面白い。新撰組の中では脇役(偏見?)の二人の目線で物語がすすんでいくのですが、この目線の切り替わりの間が良いんです、シブイんです。そして、じわじわと厚く綿密に広がってゆく史実に基づく様々な人間模様。読後感は充実の一言です。他著書の「茗荷谷の猫」にしてもこの作品にしても、木内昇さんの小説は一見地味な感じがするが、確実な文章でありながら軽さを持ち、ほのかに馨しさを感じます。
読書状況:読み終わった
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2009年 読了
- 感想投稿日 : 2009年3月30日
- 読了日 : 2009年2月2日
- 本棚登録日 : 2009年3月30日
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