地虫鳴く

著者 :
  • 河出書房新社 (2005年6月11日発売)
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本棚登録 : 147
感想 : 31
5

新撰組のお話。時代小説の分野は私自身の知識が少ない為、言葉や世相など背景が掴みづらく少し苦手なのですが、この作品は暫く読みすすんでいくうちに、すっと馴染んできました。すると面白い面白い。新撰組の中では脇役(偏見?)の二人の目線で物語がすすんでいくのですが、この目線の切り替わりの間が良いんです、シブイんです。そして、じわじわと厚く綿密に広がってゆく史実に基づく様々な人間模様。読後感は充実の一言です。他著書の「茗荷谷の猫」にしてもこの作品にしても、木内昇さんの小説は一見地味な感じがするが、確実な文章でありながら軽さを持ち、ほのかに馨しさを感じます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2009年 読了
感想投稿日 : 2009年3月30日
読了日 : 2009年2月2日
本棚登録日 : 2009年3月30日

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