海の帝国: アジアをどう考えるか (中公新書 1551)

著者 :
  • 中央公論新社 (2000年9月1日発売)
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日本が19世紀後半に明治維新を経て近代化した時期に、東アジアにおいても秩序の変化が起こり、従来の「まんだら」型の「国家」(と呼べるものかは分からないが)関係から、ヨーロッパが持ち込んだ近代国家(リヴァイアサン)へと変貌を遂げていた。
そして、人々の「文明化」は人々の意識を変え、1910年代後半から1920年代に労働運動が起こり、コミンテルンの影響など共産主義が入り込んできた。
それに対し、近代国家の側は特高など警察機能の強化で対応している。
近代国家成立の原点は違えど、こうした流れはまさに日本と同じであり、共産化が体制維持の側に与えた衝撃と影響の大きさはこの時期の各国家にとって相当なものであったことを改めて認識した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会、経済
感想投稿日 : 2018年9月16日
読了日 : 2018年9月17日
本棚登録日 : 2018年4月13日

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