哲学書。
内田樹氏の著書から導かれて。
哲学は不変的な人間の論理を追求したものだが
しかし、その哲学者が置かれた環境からの影響は大きい。
エマニュアル・レヴィナスは
ユダヤ人としてアウシュビッツ収容所にいた。
家族はほとんど殺されたという。
レヴィナス自身は生を得た。
そして、この著書のほとんどが
そのアウシュビッツで書かれたものだという。
これは希望をもちにくい状況下でありながら
第二次世界大戦を超えて新たな人間のあり方を
問うた書であるといえる。
以下は書き抜き。
存在とは、存在するという禍いなのだ。
実存は、自分の実存の旅をもつれさせる重み--
それが自分自身にほかならないとしても--
を引き摺っている。
怠惰が、何かに対して無力な歓びのない嫌悪であるかといえば、
それはこの重荷としての実存なのだ。
怠惰は、未来に疲れることだ。
努力は疲労から沸き立ち、疲労の上に崩れ落ちる。
努力の緊張と呼ばれるものは、
飛躍と疲労のこの二重性からなっている。
努力は演戯を排除する。
努力とは瞬間の成就そのものなのだ。
疲れるとは、存在するのに疲れることだ。
愛の特徴は、それが本質的で癒しがたい
飢えだということである。
夜の恐怖は仮借ない実存なのである。
実存者とは、意識なのだ。
現在とは、実存者がいるという事実そのものなのだ。
(実存者の)解放のためには、時間と〈他人〉が必要なのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
思索
- 感想投稿日 : 2011年3月19日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年3月19日
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