三国志(8)(吉川英治歴史時代文庫 40)

著者 :
  • 講談社 (1989年5月15日発売)
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本棚登録 : 1998
感想 : 92

20200327
三国志8巻という長編を読み切った。宮本武蔵に次ぐ吉川英治作品であり、歴史小説の名著であろう。
昔は三国志など全く興味が湧かなかったが、横山光輝氏の漫画から入り、劉備・関羽・張飛たちの人柄や、諸葛亮孔明の戦略などにぐいぐい引き込まれていった。
あらすじを簡単に述べる。始まりは劉関張が義兄弟の契りを結ぶ桃園の儀から。「我生まれた日は違えども死す時は同じ」という忠義の気持ちよさを痛感するシーンから。そして、三顧の礼を経て軍師諸葛亮孔明を陣営に引き入れる。ここからは、孔明と呉の連合vs魏の赤壁の戦いや、司馬懿仲達との知力戦が飽くなく面白い。最後は、孔明は落ち蜀は魏に統合され、晋へと時代は変わる。
読み物として非常にストーリー性に富んでいて面白い。また、故事や熟語となっているようなエピソードも多く教養にも必須である。何よりも、劉備と周囲のメンバーによる人柄の大事さ、つまり、忠義、礼節、感謝と言った人間が生み出す関係の素晴らしさについて学ぶことができる。

//MEMO//
吉川英治、三国志の最終巻。
孔明が尽きる時まで見届ける。

読書状況:積読 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年8月28日
本棚登録日 : 2020年3月22日

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