世界を知る101冊――科学から何が見えるか

著者 :
  • 岩波書店 (2011年6月10日発売)
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本棚登録 : 143
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自然を正しく知らなければ、また私たち人間が自然に対して何をしているかを知らなければ、人類文明の未来は闇である。

天文学者・海部宣男さんが『毎日新聞』「今週の本棚」に連載した書評をまとめたもので、宇宙論や天文学だけでなく、進化や化石、温暖化の問題など様々な科学の話題を扱い、そのおもしろさを教えてくれる一冊だ。
※本書は150点の書評から読まれるべき101冊に絞り込まれ構成されています。
およそ15年に及ぶ海部氏の読書の軌跡は、いわば科学全般へのトータルな水先案内ともいうべきもの。各章には書き下ろしのコラムも寄せており、そこでは科学者ならではの科学・技術論も紹介されている。
「科学とは世界を知ること」という著者の科学批評は、科学について関心をこれまで抱かなかったひとや「僕はニガテなんです」という方に是非読んでもらいたい。
 さて本書はくどいようだが書評集。その特色を最大に活かしたい。そう、、関心のある問題については、本書から探究を出発することができるのだ。


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 自然を正しく知らなければ、また私たち人間が自然に対して何をしているかを知らなければ、人類文明の未来は闇である。未来のために科学の見通しに基づいた賢い政策をとれるよう、日本社会も、科学を基礎においた組織・システムに変わってゆくことが必要だ。そのためには科学者自身も広い視野を持たねばならない。
 「知りたがりの動物」である人間は,知りたがりという特性を活かすことでしか、困難な未来を切り拓いてゆくことはできないのである。
 科学の本を読むこと・紹介することからも、そうした未来につながってゆければと願っている。
 「あとがき」より。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自然科学
感想投稿日 : 2012年4月17日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年4月15日

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