御師(おんし) 弥五郎―お伊勢参り道中記

著者 :
  • 祥伝社 (2010年10月29日発売)
3.41
  • (11)
  • (40)
  • (65)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 254
感想 : 50
3

途中、裏切りが続くからさあ。一期一会の親切が仇になってばっかで、なんか、世知辛い話だのぅ(´・ω・`)と読みづらくなってきちゃったけど、全般、つながっていた。なるほど。
でもなんか、単なる逆恨みでもない、わるいやつらの気持ちもわかるのよねこれ。。。清廉はときに刃。。できるひと、つよいひとは意図せず周りを削るかんじわかる。。。清兵衛もけっしてヒーローではないし、忠義に縛られたいちばんの弱者なのかもしれないと考えたり、唸ったり。弥五郎が、伊勢の「御師」として成長する過程はとてもいいね。信心に関わる仕事はこうあるべき。弥五郎の生い立ちやら隻鮫との対決など、もっとじっくりシリーズものにして組みほどいていってもよかったくらい1冊にぎゅぎゅといろいろ盛り込まれてる。時代劇ドラマにしたら12話くらいに分けられそう。殺陣シーンも随所あるし、ブチの活躍も劇画向きだし(でも“加賀犬”って検索したらそんな獰猛なかんじもなくて、脳内イメージは土佐犬の体で読んだ)。亀太でもお世でも番外編つくれそうだし、読み終えてみたら盛りだくさんな物語だった。
県をまたいで徒歩の旅なんて、いまじゃなかなかできないけれど、わくわくするだろうなあ。お伊勢参りを疑似体験しながらサスペンスも楽しめちゃう、おとくな1冊。ってかんじでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代もの
感想投稿日 : 2016年9月27日
読了日 : 2016年10月2日
本棚登録日 : 2016年9月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする