「痛んでいるのは脳そのものなのだ」
優しい光が病棟を包む。
鈍く唸る頭の中の機械。
キリキリとーー
不安と絶望で押し潰す。
悶え苦しむ、静謐。
「この世界のどこかに敵がいる。執念深く容赦のない敵が。でも、私はその名を知らない」
/////
終生ヘロインを常用し、不安と狂気の泥水の中でもう一つのペルソナを文学に掻き付けたアンナ・カヴァンの切実で苦しい、痛みを伴う幻想短編集。
極限の断崖に立ち尽くし、しかしなぜこれがこんなにも美しく惹きつけるのだろう?と困惑する。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学・小説
- 感想投稿日 : 2021年5月1日
- 読了日 : 2021年3月9日
- 本棚登録日 : 2021年5月1日
みんなの感想をみる