松谷警部と目黒の雨 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2013年9月29日発売)
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本棚登録 : 193
感想 : 24
3

「動機は脇に置いといて」地道に捜査するロジック冴えわたる本格ミステリ。

目黒本町での殺人事件から人間関係を洗ううちに、過去に起きた2つの事件へとつながります。
手がかりひとつひとつは言われてみればなるほど~なんですが、それが分からないからおもしろい。
登場人物や情報量が多くて、現在と過去のアリバイ確認などは混乱しました。
携帯電話やパソコンが普及しはじめたこの時代というのも考えられています。

「動機は脇に置いていて」のロジカルな推理は楽しいですが、決して動機がないがしろにされているわけではありません。
むしろ、最後にガツンと苦々しい真相が待っていました。

この著者は他の作品でもそうなんですが、ユーモアを交えつつも淡々とした推理進行や主要キャラクターの中に、突然毒が混じったりします。
アメフト部の歪な人間関係、ばかばかしくも狂気じみた動機など嫌な感じです。
目黒本町で起きた小西のぞみの事件から端を発しているわけですが、大学時代のメンバーが強烈な個性で、被害者である彼女の存在感が薄いのがまた悲しい。

タイトルとアメフト用語がかっこいいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内ミステリ
感想投稿日 : 2014年1月9日
読了日 : 2013年12月20日
本棚登録日 : 2013年12月2日

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