文明の衝突 上 (集英社文庫)

  • 集英社 (2017年8月22日発売)
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感想 : 11
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最初にでてから20年近く経ってるから、読者はここで提示された問いの幾つかについて、既に答えが出たことを知っているわけですが、そもそも論として、欧州とアメリカ合衆国は別の文明とするべきなのではないだろうか?より正確には、カナダとアメリカ合衆国と英国で一つの文明。大陸欧州で一つの文明。こうすることにより、近年(この書がでてから)起きた幾つかの出来事についての説明がより容易になるように思われる。

本書で提示されたように、ウクライナは分断国家であり、トルコはイスラム国家として再定義を推進し、そして、本書の提示とは逆に、メキシコの北米文明研への再定義はアメリカによって拒絶された。英国のEU離脱は、英国が北米=英国文明圏と大陸欧州文明圏により分断されているとした方が説明がつきやすい。

「西欧文明の東の境界線」をハプスブルク帝国と、オーストリア・ハンガリー、チェコスロバキア、ポーランド、ドイツ東部の国境地帯とする(要は、ローマカトリック&プロテスタントと東方正教会の境界)のはとても納得がいった。


あと、しょせん欧米の人から見ると、日本はそんな扱いかぁ。とか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫
感想投稿日 : 2018年10月14日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年10月14日

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