この本で言う"ズー"とは、犬やウマなどの動物をパートナーとする動物性愛者たちのことを指す。
彼らは動物とただ単に一緒に暮らして餌を与えるというようなことではなく、性処理も含めて動物の"生"を丸ごと受け止める、動物と対等な関係を築く、ということを自分たちのスタンスとしている。
昔と比べれば、さまざまなセクシュアリティを持つ人への理解が進んできた日本でも、動物性愛についてなかなか理解できない、そもそも知らないという人の方が多いのではないか。
私自身以前犬を飼っていたこともあるけれど、この本に書いてあるズーの人たちのことを理解するのはなかなか難しかった。
改めて感じたのは、セクシュアリティの問題の難しさ。著者はプロローグにて、このように書いている。
『私にはセックスがわからない。セックスとは、この世に存在するいきもののうち数多くの種にとって、それをしないと遺伝子を繋げない普遍的な行為のひとつだ。(中略)
セックスにそれ以上の意味がないと言われればそこで話はおしまいなのだが、セックスが生殖に限定されるものとは到底思えない』
筆者のこの言葉にものすごく共感して、この答えが見つかるかな、と思って読み進めたけど、さらに混乱が深まった感じがしている。笑
だけどそんなの当たり前で、一冊何か読んだだけでわかるようなことでもないよなと腑に落ちている部分もあり。
読みながら戸惑うことも多かったけど、知ることで偏見は少なくなったように感じる。
簡単に理解ができる内容ではなかったものの、そこにある彼らの愛は尊重したいし、されるべきだとは強く思った。
やっぱり知る努力は大切だし、怠らずに色々なものを読んでいきたい。
- 感想投稿日 : 2024年1月6日
- 読了日 : 2024年1月5日
- 本棚登録日 : 2024年1月5日
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