笑子は、イタリア語の翻訳をしている。
睦月は医者だ。
二人は結婚している。
アル中の妻にホモの夫、そして、夫の愛人、紺くんとの奇妙な生活に周りの友人や家族がオロオロするのだが、二人はお互いを必要としている。
小説は、笑子と睦月の語りが交互に入ってきて、二人の視線と思いが読者にはわかるようになっている。この構成も面白い。
好きという感情と、セックスすることは常にイコールではなく、人と生活する、ということは常に複雑で猥雑だ。その中に、いらだちもあるし、安定もあるし、安らぎもある。いろんなものを抱えて一緒に暮らしているくこと、を改めて考えさせてくれる。
「不安定で、いきあたりばったりで、いつすとんと破綻するかわからない生活、お互いの愛情だけで成り立っている生活」
他人を好きになって、一緒に暮らすこと、は気持ちの良いことなんだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年4月17日
- 読了日 : 2010年4月10日
- 本棚登録日 : 2015年4月17日
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