きらきらひかる

著者 :
  • 新潮社 (1991年5月1日発売)
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本棚登録 : 975
感想 : 95
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笑子は、イタリア語の翻訳をしている。
 睦月は医者だ。
 二人は結婚している。
 
 アル中の妻にホモの夫、そして、夫の愛人、紺くんとの奇妙な生活に周りの友人や家族がオロオロするのだが、二人はお互いを必要としている。
 小説は、笑子と睦月の語りが交互に入ってきて、二人の視線と思いが読者にはわかるようになっている。この構成も面白い。

 好きという感情と、セックスすることは常にイコールではなく、人と生活する、ということは常に複雑で猥雑だ。その中に、いらだちもあるし、安定もあるし、安らぎもある。いろんなものを抱えて一緒に暮らしているくこと、を改めて考えさせてくれる。

 「不安定で、いきあたりばったりで、いつすとんと破綻するかわからない生活、お互いの愛情だけで成り立っている生活」

 他人を好きになって、一緒に暮らすこと、は気持ちの良いことなんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月17日
読了日 : 2010年4月10日
本棚登録日 : 2015年4月17日

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