数学というと無味乾燥な感じがする学問であるが実際の問題解決に深く関わっており、それが実社会とどのようにつながっているか、それについての著者の実際の事例やケーススタディーを通して都立三田高校の生徒12人に解説していくという内容です。
数学と実社会の間には「数学」→「物理」→「工学」→「実社会」という階層がありそれが壁になっています。そして、問題を解決するためには一見無関係そうな物をどんどん論理でつないでいくことが必要になります。そのためには視野を広く持ち、柔軟な発想を持たなければなりません。
具体的な事例としてインクジェットプリンターのインクチューブの暴れ、宇宙船からスペースデブリ回収時の投げ縄の暴れ(テザー)、東京マラソンのスタートをどうすればスムーズに行えるかなどがあげられそれにどのように数学が関わっているかが書かれています。
数学は抽象学問でいろんな分野に活用される反面、それがどのように実社会で活かされるかイメージできなければ勉強しても面白くありません。その関連付けについて大きな示唆を与えてくれる本です。「なんで数学なんて勉強しなくちゃいけないんだよ?」と思っている中学生・高校生にお勧めです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2011年5月17日
- 読了日 : 2011年5月17日
- 本棚登録日 : 2011年5月17日
みんなの感想をみる