若君様、ご乱心 (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社 (2006年6月30日発売)
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感想 : 1
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 名門橘家のご嫡男・光樹は高校一年生。
 名門橘家の威光もあってか、学校ではたくさんの人に声をかけられる日々。
 けれど、光樹はそんな人々を本当は鬱陶しいと思っていた。
 そんな時、頼りになるのが、「下僕」の暁也。
 光樹の大切な「ファーストキス」と「初エッチ」を騙して奪った彼に、光樹が怒って「下僕」にしたのに、どういうわけだか暁也は学園の人気者で、暁也がやって来るとみんな、光樹に声をかけなくなるのだ。
 光樹は少々、そんな暁也の存在も、鬱陶しいと思っていて、ある日、昼休みに教室を抜け出して、一人で食事を取っていた。
 そこに現れたのが、生徒会長の加々美。その美しい容姿と笑顔に、光樹は一目惚れしてしまう。
 ところが、それを知った暁也は「泣かされるぞ」と至って冷たい対応で、加々美のクラスさえも教えてくれない。
 おまけにどうも、暁也と加々美は特別な関係にあるらしくて……
 そのことを知った光樹の胸がチクリと痛んで、どういうわけだか、イライラが治まらない……
 これは加々美に対して? 暁也に対して?
 混乱する光樹だったが……

 という話です。
 基本的には、なかなか今までの関係のせいで、自分の気持ちを素直に認められない光樹君のお話でした。
 まぁ、そもそもその原因は暁也が騙すようにしてファーストキスを奪ったり、初エッチを奪ったりしていたせいもあるので、どっちもどっち。
 読んでる側としては、光樹の気持ちよりも、時折、天の邪鬼なことをする暁也の気持ちの方がわかりにくかったような気がします。まぁ、光樹視点で描いているせいもあるかと思いますが、もう一つ言うなら、暁也の性格がへらへらしているように描かれているので本音がつかみにくいんだと思うけど。

 結局は、素直になった光樹君をスーパーヒーロー暁也が助けて、二人はラブラブになりました、とさ☆ って感じです。
 個人的には、今後、どうやってあの意地っ張りな若を暁也がコントロールしていくのか、見ものかな……と思います。
 素直じゃない人間は、思いっきり大きな真綿で包んでやるのが一番だと思うんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(BL)
感想投稿日 : 2011年10月12日
読了日 : 2009年1月24日
本棚登録日 : 2011年10月12日

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