空色スピカ (CROSS NOVELS)

  • 笠倉出版社 (2009年1月1日発売)
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本棚登録 : 377
感想 : 30
4

もうこのキラキラした乙女ちっくなタイトルだけでハートを撃ち抜かれそうです。こういうの大好き。
八ヶ岳山麓にある半寮制の名門男子校・清泉学院。
人里離れた学校に通う男子高校生にとって、唯一の楽しみは近隣の女子高生を学園行事に呼び寄せること。
客寄せのため、代々見目麗しい生徒会長を選出してきた。
新たに選ばれた生徒会長は一見天使のような儚い感じの美少年の楠ノ瀬。でも実は中身は体育会系の普通の男の子。
有能実利型の副会長:高科を含む生徒会役員は、楠ノ瀬を対外的に『ギムナジウム風美少年』としてプロデュースして売り込むことにする。
この『ギムナジウム風美少年』っていうのは、全寮制名門校をとりまとめる物憂げな美少年のイメージだそうです。(トーマの心臓やアナザーカントリー的な)
ややこしいひねりがなく、とてもわかりやすいキャラ設定がよかった。
攻の副会長高科はインテリメガネでピアノ男子!! 超ストライクなんですけど。。やさしくて男前で大人で文句なしにかっこよかった。
受の楠ノ瀬も見た目と中身のギャップ萌えで、とにかく可愛い・・・。
痛々しい事件も過去の負い目もコンプレックスもなく、学園の行事ごとに心の距離を縮めていく2人の姿が丁寧に描かれている。
恋愛をするってこんな感じなのかな・・・とか。もうちょっと一緒に歩いていたいな・・・とか。
もっとやさしい声で話しかけてくれればいいのに、もっと嬉しそうに笑ってくれればいいのに、
自分だけを後ろにのせて、自転車で走ってくれればいいのに、ずっと二人でいられればいいのに・・・とか。
相手は今、何を考えているんだろうか、寝る前にちょっとでも自分のことを考えてくれるだろうか、
好きって言ってくれるだろうか、触りたいって思ってくれるだろうか・・・とか。
誰しもどこかで経験したことがあるような、甘い甘い気持ち。
ほのぼのしたトーンでうっかりBLだってこと忘れそうになるよ。
かわいくてキラキラした少女マンガみたい。
でも、文体は浮ついてない、結構地に足の着いてる感じ。それはそれでよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 同級生・幼馴染
感想投稿日 : 2012年7月6日
読了日 : 2012年7月6日
本棚登録日 : 2012年7月6日

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