プラスチック汚染とは何か (岩波ブックレット NO. 1003)

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  • 岩波書店 (2019年6月6日発売)
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海釣りが好きで良く海に行くのもあって、海のプラスチック汚染については気になっていて、Ocean cleanupの活動を数年前から支援していたのだが、何処か他人事の域を出ず、たまたまこの本を手に取った事もあり読んでみた。
太平洋にはゴミベルトと言われる領域があって日本の4倍の面積に渡ってぷらごみがあるらしい… けど盛ってる感も… 2章はこの手のデータが他にも載っているんだけど、出典や引用などが明確に示されていない事が気になる。 バイアスが掛かっているように思えるのだ… この太平洋ゴミベルトの46%が漁具との事で、日本の2倍の面積分の漁具?? そんなにあるならOcean cleanupは、もっと大量に回収出来るんじゃ?とか。

ただ、この本はプラスチックのゴミを出さなきゃ良いとか、ストローやゴミ袋をスケープゴートにして煽るような事はして無くて、先進的な取り組みをしているEU諸国の状況から、再利用の経済合理性などにも触れているので、解決策を模索している企業やNPOに取っては参考になると思う。

あと、新技術好きの日本人が好きそうなバイオマスプラスチックも、そもそも原料が食料だし、処理に温室効果ガスを出すとか、そもそも既存プラスチックと一緒に処理出来なくなっちゃうし、捨てても問題ないってみんなが考えるとそもそも何のため?となると釘を刺している。

著者は、枝廣淳子氏、ウィキペディアを見ると沢山の本を出している方なんだなと言うことはわかった。

環境問題書籍として、並行して読んでいるチェンジングブルーと比べると、かなりの見劣りがしてしまうのは仕方がないところか。

色々な活動をされている方のようなので、各所での提案があるのかと思うのだが、この本の中で課題をわかりやすく整理して、解決策を提示みたいなところがあると良かったと思う。

自身の生活の中でプラスチックを排除する事は不可能過ぎるが、購入するペットボトルを減らす所からかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月9日
読了日 : 2021年12月9日
本棚登録日 : 2021年12月9日

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