君に贈る最後の手紙

  • 日本実業出版社 (2009年1月29日発売)
3.88
  • (8)
  • (6)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 70
感想 : 13
5

◎結局のところ、なにかを「与えられる」ことよりも、
「与える」ことのほうがずっと疲れずにすむし、与えることこそが歓びの源になってくれるのだ。

愛情、思いやり、アイデア、力、哲学、すこしばかりのお金、財産、想像力、情熱、時間、優しさ-

こういうものを人に与えたときはあたたかい気持ちになれるものだし、言ってしまえば、それがすべてなのである。


◎思い返してみると、ぼくは駆けずり回っていたせいで『生きる』ことをしてこなかったのだと気づいた。
ほんの少しすぴどを緩めてこの旅を楽しみさえすれば、もっと幸せで、もっと楽しみに満ちていただろうに。


◎僕が君をいちばん愛おしいと思う理由のひとつは、知り合ってから今にいたるまで、君が一度たりともありのままの僕のことを拒絶も否定もしなかったということだ。

何事もうまくいっているように見えても、僕が心の底では苦しんでいた時だって、君はただ僕を愛し続けてくれた。

君は友人や子どもたち、他の家族たち、僕たちが手助けしようとしていた人たちにそうしていたように、僕にも無条件の愛を与えてくれていた。

もし僕がまた生きられるとしたら、君や他のみんなをもっと愛し、見返りの愛は求めないようにしようと思う。


 そして 私たちは 忘れないようにしたい

 若い人にも 年老いた人にも
 明日は誰にも約束されていないのだということを
 愛する人を抱きしめられるのは
 今日が最後になるかもしれないことを

 微笑や 抱擁や キスをするための
 ほんのちょっとの時間を
 どうして惜しんだのかと
 忙しさを理由に
 その人の最後の願いとなってしまったことを
 どうして してあげられなかったのかと

 だから 今日
 あなたの大切な人たちを
 しっかりと抱きしめよう
 そして その人を愛していること
 いつでも
 いつまでも大切な存在だということを
 そっと伝えよう

 「ごめんね」や「許してね」や
 「ありがとう」や「気にしないで」を
 伝える時を持とう
 そうすれば もし明日が来ないとしても
 あなたは今日を後悔しないだろうから

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・エッセイ
感想投稿日 : 2010年5月9日
読了日 : 2010年5月9日
本棚登録日 : 2010年5月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする