生きるのがつらい人たちが、今のままの自分を受け入れられるようになるための過程やメッセージが書かれている。
ことばがとにかくやさしい。
精神科医である著者が、つらい心を抱えながら生きている人たちへ伝えたいという想いが伝わってくる文章で、こんなふうに患者さんに語り掛けているんだろうなというやさしさと温かさが感じられる。
繰り返し出てくる「枠」。
私たちは枠にはめようと生きているけれど、その枠にとらわれその枠の外側にいる「嫌いな自分」を認められず自分を責めたりする。枠を作っている「べき」に高い目標を持っている真面目で、責任感や義務感が強く、秩序を愛し、他人を優先する人が、枠からはみ出す自分を認められないときにうつになったりする。
枠の存在に気づき、好きな自分も嫌いな自分も受け入れる過程で枠をく見直してより大きな枠に作り替えることが、自分が楽になる方法。
自分の枠を見つめなおすのは簡単な作業ではないけれど、著者のやさしい語り口というか聴く姿勢というかが、きっとできると信じさせてくれるように感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
実用書
- 感想投稿日 : 2018年4月3日
- 読了日 : 2018年4月3日
- 本棚登録日 : 2018年4月3日
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