viviさんの感想・レビュー

彼女が最後に見たものは (小学館文庫 ま 23-2)

著者 : まさきとしか

• 小学館 (2021年12月7日発売)

「あの日、君は何をした」に続く三ツ矢&田所刑事シリーズ第2弾。
二つの殺人事件の関係者が複雑に絡み合う社会派ミステリー。

時系列をずらして様々な人の視点から語られていきます。
前作と同じく、なかなか全体像が見えてこないので若干イラつきながら読んでいたのですが（笑）
伏線回収もすっきりして、今作の方が好きかも。
事件の謎を追う三ツ矢刑事と田所刑事のコンビが良くて、ちょっとクセになりそうです。
歪んだ家族関係（夫婦、親子）を描くのが本当に巧いと思いました。

人の幸せって何だろう。
SNSで幸せアピールに必死になったり、華やかな生活を送っている人と比べて惨めになったり。
娘や息子を軽んじたり遠ざけたりする母親たちがいる一方…
被害女性が慈愛に満ちた聖母のような生き方で、泣けてきます。子供のいない夫婦だけれどお互い支え合って生きてきて、世界中の子供たちを支援して、その上…。
切ない物語でした。

刑事二人のキャラが立ってきて、映像化もありかと思います。
私の中では三ツ矢刑事は綾野剛さんか松田龍平さんがいいかなーなんて（笑）

感想投稿日 : 2023年5月27日

読了日 : 2023年5月26日

本棚登録日 : 2023年5月19日