原民喜とは対照的な仕方で、「屍の街」のありさまを凝視し、それをもたらしたものを突き止めようとする意志に貫かれた作品。併録された、生き残ることの苦しみと、苦しむ者たちに注がれる視線を内側から抉るように見据える「半人間」も印象深い。ただ、両者を貫く怒りのこもった意志は、被爆以前の大田においてそうだったように、「日本」を語ることとあまりにも親和的である。
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2010年11月8日
- 読了日 : 2010年11月8日
- 本棚登録日 : 2010年11月8日
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