クレオール文学を代表する二人の作家による、フランス系クレオールの文学史であるが、同時に歴史そのものを問いただす文学の言葉の生成を内在的に描き出す。歴史によって蹂躙されてきた人々の、断絶と沈黙によって隈取られる伝統を語り伝える、それ自体一つの文学とも言える記述。だからこそ原題は「クレオール文学」なのだろう。セゼールをこの抑圧された者たちの伝統に組み入れながら、その文学を批判的に考察した一節や、グリッサンが代表するリゾーム的な関係としての世界=文学の生成を論じた一節はとくに重要。西谷修の解説とともに繰り返し参照されるべき一冊。
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2011年1月9日
- 読了日 : 2011年1月9日
- 本棚登録日 : 2011年1月9日
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