古事記 (日本の古典をよむ 1)

  • 小学館 (2007年7月5日発売)
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本棚登録 : 216
感想 : 21
5

ひととおりまとめて読むのは初めて。
既知のエピソードと未知のエピソード、どちらもたいへん楽しめた。神と人、歴史と伝説が溶け合った世界観で多くの登場人物が活き活きと動き出す、その様子がなんとも快く微笑ましい。ありふれたことが途方もないスケールで語られる、その可笑しさが神話の魅力のひとつだと思う。
神と神の間の異類婚、岩や首飾りや船といった物がごく当たり前に神として説明されていること、言葉の呪的な力の信仰など、興味深く感じたところも多々。特に言葉に関しては、単純な語彙の面でもおやと思うところがあって面白かった。「愛媛」って実はすごく古い言葉なのか。

砕けすぎない現代語訳と訓読の原文が古代世界の空気を伝えてくれる、総じてとてもとっつきやすい古事記だった。満足。
ただ、全文が掲載されているわけではなく、ところどころは概略だったり、途中に省略部分が含まれていたりする点だけは要注意。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2017年1月3日
読了日 : 2017年1月3日
本棚登録日 : 2017年1月3日

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