インターセックス

著者 :
  • 集英社 (2008年8月5日発売)
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本棚登録 : 508
感想 : 120

面白かった。
知識が圧巻で、それに伴う医療の人倫への考えや病院を舞台にしたドラマ(白い巨塔のようなものではなくて、もっと淡々としているのだが)を堪能した。

・女性の心臓は男性のよりも小さいです。それなのにすべての薬の量は、男性の心臓を基準にして考えられています。心電図の波形も、男性と女性では違うのですが、心電図の教科書は、男性のものを正常とみなして書かれています。思春期までは同じですが、その後は女性のほうが不整脈と頻脈が正常人でも見られるようになります。
…心臓発作の症状も、男女差があります。男性では本当に胸痛でくることが多いのですが、女性では、胃の痛みや発汗、息切れでくるので見逃されやすいのです。

・性同一性障害に対してもそうでしたが、インターセックスに関しても、自分はそれに無関係だから、偏見ももたないし、干渉もしないという人間が必ず出現します。しかしこの無関係だと切り捨てる態度こそが、既に偏見なのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・マンガ(含☆4,5)
感想投稿日 : 2015年2月20日
読了日 : 2015年2月20日
本棚登録日 : 2015年2月20日

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