東京の空間人類学 (ちくま学芸文庫 シ 2-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (1992年11月1日発売)
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感想 : 42
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東京の各地で再開発が行われていたり、計画中のところもあり、景色が変わっていく。




古本まつりで偶然見つけて買った今回の本は、1985年に発行されたものだが、2023年に読んでも面白い。




東京のベースは、江戸時代に作られたと言ってもいい。



著者は次のように表現している。




まず、初期の江戸は、城下町の明快な理念に基づき、〈計画された空間〉としての為政者の意図通りに形成された。だが、明暦大火後、とりわけ中期以降の江戸は、城下町としての枠組みを超え、豊かな自然をとりこんで周辺部に大きく発展し、山の手では「田園都市」(川添登『東京の原風景』NHKブックス)、下町では「水の都」という、いずれも〈生きられた空間〉としての都市の魅力を大いに高めたのである。




明治以降、西欧を見本にしたが、江戸時代の枠を活用しながら、建物も西洋風でありながらどこか日本風という個性的なものができた。




所々に古い地図や写真を引用している。




浅草、東京、新橋、渋谷、新宿、池袋と浮かぶだけで、様々な顔を持つ東京。




読んでいくといろいろなことが頭の中をよぎる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年1月23日
読了日 : 2023年1月23日
本棚登録日 : 2023年1月23日

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