日本語の大疑問 眠れなくなるほど面白い ことばの世界 (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2021年11月25日発売)
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感想 : 18
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普段、使っている日本語もよく考えると不思議なことがたくさんある。国立国語研究所に寄せられた日本語に関する疑問や質問に関係者が答えたものだ。





国立国語研究所とは何ぞやと思った。1948年に国立の研究所として設立された。設立目的は「科学的な基礎研究」であって、正しい日本語の番人ではなかった。




元号が平成から令和に代わってもう3年になる。その新元号「令和」について、言語学的には予想通りだったと回答している。言葉のリズムからしてこれまでの伝統を踏襲しているそうだ。






元号の韻律構造には特徴がある。250近くに及ぶ言号を調べると、約7割が2+2(長長)の構造だった。2+2の元号の大半を見ると、慶応、大正、平成など強弱強弱のリズムを持っていた。






2+1の元号に関しても、明治や昭和のように強弱強の構造を持っていた。





過去の元号は構造的な偏りを示しているので、平成に続く元号も同様の構造を持つものではない過渡予想がついたそうだ。





まさかリズムから元号をひもとくとは思いもしなかったので驚いた。





そう言えばこの前「日本人のお名前」というNHKのテレビ番組で「省エネルック」が話題になっていた。今回の本でも偶然取り上げていた。





1979年に第2次石油危機が起こったときに、大平内閣によって通産省(現在の経済産業省)が提唱した「省エネルック」だが、流行することなく終わった。





それに比べて、「クールビズ」は、今ではすっかり定着している。




その違いは何かと言うと、「省エネ」は直接的すぎる表現で、「○○ルック」は聞き覚えのある古臭い感じがした。「クール」は、涼しい、格好いいと言う意味があり、しかも「ビズ」はまだ日本でそれほど使われていなかったので、鮮度の違いが差を生んだようだ。






言葉の沼にはまると奥が深いので、どんどんはまって抜け出せなくなる面白さがある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月20日
読了日 : 2022年3月20日
本棚登録日 : 2022年3月20日

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