ベリアルを主人公に置いた「この愛は、異端。」第1部の前日譚。
帯のあおりで、漠然と日本の八百万の神々(の一部)とベリアルで淑乃を奪いあうのかな? などと読みはじめました。
まぁこの予想は大雑把に言えば当たっていましたが、正確を期せばこんな安直なお話ではなく安心しました。日本の神々が悪役ないし敵方として配役されているわけではなかったのでそこもよかった。
ベリアルと淑乃に関しては…第1部と基本は変わりません。ベリアルが淑乃さんに対してどこまでも甘く溺愛しすぎです。もちろんそれでいいのです、そこがいいのです。守りたいという気持ちと穢したい欲望に悶々としながら、過保護な保護者に走ってしまうベリアルさん…あんた可愛いよ…。
淑乃さんのご学友さんもとてもいい味を出していて、個人的にはこの子も幸せになってほしいものだと願います。いや本編でその後が知りたいとかではないんですが、二次元にはまる彼女の幸せを脳内で祈っております。修学旅行で聖地巡りとか贅沢だなぁ羨ましいよ。
作画は相変わらずのクオリティで、髪の一筋一筋に至るまで繊細です。眼射しに力があって艶もあり、感歎の一言です。好みはあると思いますが丁寧でため息がもれます。…小画集がつく限定ver.のことを予め知っていれば迷わずそちらを購入したのにな~…。今回悔やんだのはその一点です、先走って予約するんじゃなかったよほんと。
本編をお気に召したかたであれば迷わずオススメします。
本編未読のかたでも、「守りたい尽くしたい相手を庇護しつつも、相反する堕としたい穢したい欲望に灼かれる、そんな二律背反」と聞いて「好物です」と仰るかたでしたら、本編とご一緒に即オススメ。
第2部、楽しみですね!(けっこう気長に待つので作画もストーリーも妥協なしに仕上げていただきたいです!)
※巻末とカバー下の表紙にある例のセルフパロディ漫画は今回も面白くてほのぼのと。つか、苦労性すぎるベリアルさんがかわいそうなほど幸せそうでした…。
- 感想投稿日 : 2020年5月17日
- 読了日 : 2020年5月17日
- 本棚登録日 : 2020年5月17日
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