あまりにも有名なジュール・ヴェルヌの少年文学の古典。
知っていたつもりで読んだことなかったのだが、仕事の合間に読んでみたところ、さすがに100年以上の時の流れを生き抜いてきた作品だけのことはあって、面白かった。
主人公の少年たちは植民地時代のニュージーランドの寄宿学校の生徒で、フランス・イギリス・アメリカの7~15才の両家の師弟とアフリカ系の見習い船乗りの少年。題名の「二年間の休暇」というのは寄宿生たちの「休暇」であって、船乗りのモコにとっては仕事だよね、というのがミソだよね、と思いながら読んでた。「十五少年漂流記」というのとはニュアンスが違う。もともとは「二週間の休暇」の予定だったのが、運命のいたずらで嵐の夜に港から船が離れて難破してしまうところから、物語が始まるのだ。
絶海の孤島の無人島に漂着した少年たちが、どのように知恵を絞り、結束と対立を繰り返しながら家族のもとに帰還するのか(なにしろ「二年間の休暇」だから!)、手に汗を握りながら読み進めるのがよいでしょう。そこには、若者たちが、考え方、国民性ひいては肌の色(?)を乗り越えて、20世紀という新しい時代を切り開いて行って欲しいという、ヴェルヌの温かい眼差しがあるように思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外児童文学
- 感想投稿日 : 2017年2月20日
- 読了日 : 2016年10月18日
- 本棚登録日 : 2016年10月18日
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