百鬼夜行抄 9 (朝日コミック文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2013年10月3日発売)
3.82
  • (2)
  • (5)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 77
感想 : 4
4

◆今市子「百鬼夜行抄 9」

 百鬼夜行抄の9巻。
 相変わらず、尾白と尾黒のコンビがほほえましい。でも、今回は青嵐はあんまり活躍せず…しょぼん。

 ちょっとまえにBSマンガ夜話の百鬼夜行抄の回をちょっとだけみた。
 で、夏目房之介さまが、「こういうタイプのマンガは、通常、序列を求めたり、対立を描いたりする。が、今市子はそれを全くしないでここまで描いてるのがすごい」と言っていた。
 で、それを頭において読むと、すごさがます。
 なんせ、主人公律は、妖魔もののけが「見える」だけなのだ。長らく妖魔と付き合っているから、なんらかの力があってもよさそうなのに、相変わらず「見える」だけ。
 このすばらしい、潔さ。

 うむ。
 これは、「潔さ」を愛でるマンガなのかもしれない。
 そう考えると、あちこちに潔さというポイントが見え隠れしている。そして、潔くないものは、青嵐に食われたり、さ迷ったりしている。

 まだまだ、この世界は深いのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 邦人作者名 あ~お
感想投稿日 : 2014年5月1日
読了日 : 2008年6月1日
本棚登録日 : 2008年6月1日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする