破壊者 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2011年12月22日発売)
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感想 : 26
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 海岸に女性の遺体が打ち上げられる。その海岸から離れた街では、彼女の三歳の娘が保護されていた。

 レイプし殺した犯人を追うということは、被害者のことも知るということになる。この被害者の人となりがわかればわかるほど、憂鬱な気持ちになっていくのだ。人は誰だって秘密があり、暗部がある。皆それを隠して生きている。が、犯罪に巻き込まれるということは、それを否応なしに白日にさらすことなのだ。
 しかも、彼女にはそうやってさらされることを拒否する、彼女を思う人もいない。

 徐々に明らかになる犯人の行動や心理も、残酷でやるせないのだけど、やはりこういう形で尊厳を奪われて行く被害者が哀れでしかたなかった。

 そんな陰鬱な中で、不器用な警官と、素直になれない元資産家の娘の二人が安らぎだ。

 まさに、ビター&スイートっていった感じ。
 面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 翻訳作者名 ア~オ
感想投稿日 : 2012年2月19日
読了日 : 2012年2月19日
本棚登録日 : 2012年2月19日

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