劇場の迷子―中村雅楽探偵全集〈4〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M と 2-4 中村雅楽探偵全集 4)
- 東京創元社 (2007年9月28日発売)
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感想 : 8件
歌舞伎役者、中村雅楽が解くなぞ。
このシリーズ、最初は殺人事件などなどが多かったんだけど、だんだんそういうのから外れて、日常のちょっとした謎になっている。
まさに北村薫に代表される日常の謎の先駆者といえる。
もう、めちゃくちゃいいですよ。
歌舞伎界という、独特の閉鎖された世界を舞台に、適度に耽美で、でも閉塞的でなく、ユーモアもあって…。まさに「完成された世界」
すべての調和がとれ、すべてのテンポが明確で、終結する、そんな完璧な和音進行を聞くような、安心感と美しさに満ちてます。
でも、垣間見える雅楽の色気とか、茶目っ気とか、またこれがいいバランスなんだ。でもって、上品。
いやあ、今まで雅楽シリーズ知らなくて、人生損したよ、と毎度ながら強く思います。
粋って、大事っすねww
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
邦人作者名 た~と
- 感想投稿日 : 2010年6月16日
- 読了日 : 2010年6月16日
- 本棚登録日 : 2008年2月16日
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