風光ると時期を同じくして、17年越しのこちらも完結。実はおさらいのため1巻から通読して、しっかり体勢を整えてからこの最終巻に臨みました。いやはやなんかもう、感無量です。
パラレル江戸史として面白いのは勿論のこと、男女の愛憎劇としての読み応え、そして後半医師たちのウイルスへの抗体発見のくだりはコロナの今読むと色々感慨深い。ジェンダー問題についても、物語を通してさりげなく考えさせられる仕組みに。
さて物語は家茂さま亡きあと、勝海舟や天璋院さま、和宮さま、瀧山らの活躍で西郷との会見、江戸城無血開城へ、と史実通りに進みます。そしてついに大奥の終焉。女将軍たちの悲劇の歴史は、新政府によって隠蔽。
ラストが明治4年、岩倉使節団の船の中で、生き残った大奥の男たちが津田梅子ら女子留学生と出会うというのも深いなあ。ここからまた、女性たちの新たな戦いが始まることを象徴していたと思います。歴史に残る名作。
読書状況:読み終わった
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○よしながふみ
- 感想投稿日 : 2021年2月27日
- 読了日 : 2021年2月27日
- 本棚登録日 : 2021年2月26日
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