ホビット 思いがけない冒険 [DVD]

監督 : ピーター・ジャクソン 
出演 : イアン・マッケラン  マーティン・フリーマン  リチャード・アーミティッジ  ケイト・ブランシェット  イアン・ホルム  クリストファー・リー  ヒューゴ・ウィービング  イライジャ・ウッド 
  • ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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本棚登録 : 609
感想 : 73
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THE HOBBIT: AN UNEXPECTED JOURNEY
2012年 アメリカ+ニュージーランド 169分
監督:ピーター・ジャクソン
出演:マーティン・フリーマン/イアン・マッケラン/リチャード・アーミティッジ/エイダン・ターナー/ケイト・ブランシェット/ヒューゴ・ウィーヴィング/クリストファー・リー/イライジャ・ウッド/イアン・ホルム

ホビット庄のビルボ・バギンズは、ある日突然魔法使いのガンダルフに率いられた13人のドワーフの訪問を受ける。彼らはかつて先祖たちの暮らした「はなれ山」と竜のスマウグに奪われた宝物を奪還すべく旅立つところで、ビルボはなぜか彼らの旅に同行することになり…。

ホビット三部作がアマプラでやっと無料になったので今更ですが観賞。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のほうは映画館で複数回見てさらにめちゃ長いバージョンのDVDボックスを持ってるのだけど、そこまで熱狂してたわりにホビット三部作は映画館で観なかったダメファンです。

さて、あらすじはほぼ原作通り。トロルと戦い、裂け谷訪問、ゴブリンの洞窟での戦い、ビルボはゴラムと出会い指輪獲得、オークとワーグに囲まれ木に登ったところで鷲たちが助けてくれるまでが第一部。

正直に言うと、『ロード・オブ・ザ・リング』ほどの盛り上がり、面白さはありません。もちろん丁寧に作ってあるし、ファンへのサービスは満点。60年後のビルボの回想形式でスタートすることで、冒頭ちらりとフロドも登場。このあと彼の旅が始まっちゃうんだよなあと思うと切なくなるし、音楽もホビット庄の場面や指輪登場場面では前シリーズの曲をアレンジして使ってあって胸アツではありました。

とはいえ、指輪~のほうは原作全10巻分の長大な物語で、三部作としてあれだけ長尺使っても、まだまだ多くのエピソードを削らなくてはならなかったけど、『ホビット』の原作は児童文学で上下巻2冊分。指輪~と同じく三部作にするほどの尺は逆に原作のエピソードだけでは足りず、削るどころか付け足されている。そのせいで非常に冗漫になっており、ぶっちゃけ三部作にせず1作でさくっと終わらせたほうが名作になったかも。どのみちファンは、スピンオフ的な気持ちでしか見ないのだし。

映画化決まったときに原作再読して予想はしてたけど、そもそも本作は登場人物に華がない。13人のひげもじゃドワーフは、正直ちょっとイケメンをキャスティングしてあるトーリンと、一番若いキーリ以外は見分けがつかず。ビルボはビルボで申し訳ないがとても地味。旅立つ年齢がフロドはずっと若かったし、イライジャが演じたことでホビットとはいえ美少年だったけど、ビルボはそこまで若くないし、演じてる俳優さんもおじさん。超絶美形エルフと人間のイケおじ二人、美少年ホビットというメンツだった指輪の旅の仲間とは映画的な華やかさが全然違う。加えて、本作は女性がほとんど登場しない。恋愛要素もないし、美女で目の保養もできない。

裂け谷で、なつかしのエルロンドの他に原作では登場しないガラドリエル様(と、なぜかサルマン)が登場したのはファンサもあるだろうけど何より女性キャラの登場場面がほぼないための付けたしでもあったと思われ。とはいえ魔法のように急に消えたり、テレパシーでガンダルフに話しかけるなど、ちょっとご都合主義的な使い方をされており、もうちょっとなんとかならなかったのかなとも思う。

原作では名前がちらりと出るだけの茶色の魔法使いラダガストが結構出番あったり、トーリンの宿敵としてオークの首領アゾグ(ホビット原作には登場しないが、『指輪物語・追補編』に登場)が設定してあったり、それはそれで映画的な面白さのために必要だったろうとは思うけれど、そこで尺かせがれてもなあっていう…。

というわけで、指輪~のほうでお馴染みのキャラとの再会は嬉しいものの(ゴラムですら懐かしい)、独立した映画としては、そこまで魅力を感じなかった。何度もいうけど、見た目の華はもちろんのこと、ひとりひとりにそれぞれの背景があった旅の仲間に比べて、ドワーフたちは13人いても個人のドラマがあるのはトーリンのみなので、キャラものとしても魅力がない。なにより主人公ビルボにそこまで魅力がないので、大仰な映画にするには吸引力が弱いのだと思う。とりあえず残り二作も見ます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  アメリカ映画 他
感想投稿日 : 2021年7月17日
読了日 : 2021年7月17日
本棚登録日 : 2021年7月17日

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