進撃の巨人 ATTACK ON TITAN DVD 通常版

監督 : 樋口真嗣 
出演 : 三浦春馬  長谷川博己  水原希子  本郷奏多  三浦貴大  桜庭ななみ  松尾諭  渡部秀  水崎綾女  武田梨奈  石原さとみ  ピエール瀧  國村隼 
  • 東宝
2.42
  • (5)
  • (12)
  • (56)
  • (67)
  • (26)
本棚登録 : 275
感想 : 68
2

2015年 日本 98分
監督:樋口真嗣
原作:諫山創『進撃の巨人』
出演:三浦春馬/水原希子/本郷奏多/長谷川博己/石原さとみ/三浦貴大/ピエール瀧/桜庭ななみ

100年前、突然現れた巨人により人類は滅亡寸前に。生き残った者は巨人の侵入を防ぐための巨大な壁を築いて、その内側だけで生活している。エレン(三浦春馬)と幼馴染のミカサ(水原希子)、アルミン(本郷奏多)らは、そこで生まれ、その中で生きてきたため、巨人の実在を信じることができず、壁の外へ出たいと望んでいたが、ある日、突然、壁を壊して巨人が現れ…。

原作コミックは未読。春馬くん追悼の気持ちで見るのが果たしてこの映画で良いのかはさておき、とりあえず二部作の一部目を。

冒頭からチープかつご都合主義の不自然な展開でつっこみどころ満載。エレンとミカサは不自然に人波にさからって逃げ、不自然に母子を助けようとし、不自然にはなればなれになってしまう。出演者全員日本人なのでスケールがどうも小さく感じる。巨人はグロいけど、造形がちょっとユニークなので、生きたまま喰われる恐怖感はあまり切実に伝わってこない。

数年後、巨人と戦うための軍隊?に入っているエレンとアルミン。仲間たちは全員シロウト、軍に入れば食いっぱぐれないと思ってやってきただけで、男女混合なため、いちゃついてるバカップルなどもいる。なぜかこのシロウト集団が、巨人の侵入口である外壁をふさぐため、巨人が寝ている深夜に出動する。

なんか武器らしきものは持たされているけれど、しょせん訓練も受けていないシロウト集団なので、まともに戦えるわけもなく、勝手にふらふらしてあげく、なぜかエレンに「父親になって」と言い寄ってくるシンママ女子、えっと、今、命がけの任務のさいちゅうなんですよね?やたらとエレンに絡んでくるジャン(三浦貴大)面倒くさい。そして突然、エレンは喧嘩だけは強いという新情報。なんだそれ。

どうやら最強勇者らしいシキシマ(長谷川博己)、そしてなぜか生きていて女戦士となっているミカサ(水原希子)が突然現れ大活躍。ふたりはデキてて、わざとエレンの前でいちゃいちゃ。エレンがミカサを助けられなかったと思って自分を責めていたのはまだわかるが、あの状況でどうすることもできなかったのに、周囲がそれを揶揄したり、ミカサがエレンを批難するのはちょっと意味がわからない。

このシキシマというのは映画オリジナルキャラらしいですが、とにかく出てくるたびにちょっと恥ずかしい(長谷川博己が悪いわけではない)。そしてこうやってちゃんと武器を使いこなせる人がいるのに、なぜかちゃんと訓練した軍隊ではなく、シロウトの若者ばかり駆り出されている不自然さ。ただの女の子だったミカサがあんな女戦士になるくらいなら、教えさえすればもっと戦える屈強な戦士がたくさんいてもいいはずじゃない?

終盤、爆薬を積んだトラックを盗もうとしたのが誰だったのか結局わからなかった。なぜかそれまで「こわーいこわーい」と言って彼氏にしがみついてた武田梨奈がキックをくりだしトラックを奪う。武田梨奈だから当然アクションシーンはあるのだろうなと思ってたけど、彼氏べったりのぶりっこ女子がなぜちょっとキレたからといってあそこまで華麗なキックを繰り出すのか謎すぎる。

全体的に、壁の内側の人口がどれくらいなのか、きちんとした政府的なものはあるのかなど、細部の設定が曖昧で、住民たちはみな浮浪者のようだし、軍人らしき人たちはみな昭和の日本軍のよう。序盤で闘う武器は幕末の長州藩レベルの先込め式の大砲。それなのに謎のワイヤーで飛び回る武器は開発されたりする。しかしその武器の使用訓練はなく基本ぶっつけ本番。宝の持ち腐れ。

キャラクターはみんな個性を生かせていない。アルミンの機械いじりが得意設定は今後なんらかの伏線になるの? エレンのキャラ設定もぶれぶれで、いくら春馬くんの演技力をもってしてもこの脚本の酷さはカバーできないでしょう。原作未読で良かったです。もし原作ファンだったら、あまりの酷い出来に発狂してたかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  邦画
感想投稿日 : 2020年8月17日
読了日 : 2020年8月16日
本棚登録日 : 2020年8月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする