南方熊楠と宮沢賢治 日本的スピリチュアリティの系譜 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社 (2020年2月17日発売)
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感想 : 2
3

タイトルに惹かれたが、内容はとても深く理解するのには一生かかりそうだ。2人が捉えていた「生態智」を、今地球上に存在する人々が少しでも体得できるようになれば、未来へ希望が持てるのではないか。というようなことを確信した。
規格外であることを自ら認知していたのか、狂人にならぬための自己制御のひとつが、研究であったり文学という表現だったり。人にはそれぞれの生き方があり、それを見つけるのも修行のようなものなのだろうか。

https://www.heibonsha.co.jp/book/b492245.html

明治・大正期、日本では近代国家形成に伴う独特の解放感が生まれていた。宗教や伝統社会への自由な問い直し。そして、自然と人間を繋ぐ神秘の探求。そのなかで、ひときわ輝きを放つ二つの知的巨星があった。

和歌山・熊野の地で独自の民俗学を展開した南方熊楠。

岩手・花巻にあって農本主義的表現を志した宮沢賢治。

彼らがそれぞれに探求した「世界の真実」の、共通点と違いは何だろうか。

自然/人間精神の総合的な智=「生態智」を見抜かんとし、当時最新の西洋思想をも援用して挑んだ二つの知性とは。日本のスピリチュアリズムにおける最高到達点の秘密を探る!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2022年4月2日
読了日 : 2022年4月2日
本棚登録日 : 2022年3月29日

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