序盤、あすみのダメっぷりに思わず引き込まれて読みふけってしまいました。特にあすみの金銭感覚、こんなときにそんなお金の使い方する?ってツッコミたくなるシーンが多く、そこでお金を使ったら食費がなくなるだろ~、とか、違った意味で感情移入してしまいました。
タイトルにあるとおり、家計簿=お金のやりくりがストーリーの軸になって描かれています。寿退社したものの結婚できず、無職→日雇い→派遣でお仕事、と物語が進むにつれ仕事の基盤も少しづつ整うに従って経済状況が改善されてゆく、という展開。決してお金がたくさんあるわけではないけれども、就業状況が改善されたときの未来に向けた明るい展望が開けた感じや暗いトンネルから抜け出せたような喜びなどがうまく描かれた作品だと思います。
自分自身も仕事がないときのお金が目減りするだけの心細さを経験したことがあるので、こういった心境や”良い”変化により生じる心の変化はとても理解できます。お金の使い方は自分の場合はあすみとはだいぶ違うかな…、少なくとも自分へのご褒美などさまざま理由をつけて「まぁいっか」と使ってしまうことはなかったので。そうった意味では主人公を理解「できない」部分もあり、より一層興味を惹かれ楽しんで読ませていただきました。「これは経費で~」と同様シリーズ化してほしい一冊です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年12月9日
- 読了日 : 2019年12月8日
- 本棚登録日 : 2019年11月6日
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