日本の起源 (atプラス叢書05)

  • 太田出版 (2013年8月29日発売)
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目次

まえがき 與那覇潤

第一章 古代篇
起源の天皇は女帝だった/
豪族チャンピオンとしての大王/
「聖母卑弥呼」は存在したか/
科挙を生まなかったマルチタレント登用/
はやり歌による革命と桓武天皇の純血作戦/
唐物グローバリズムとクールジャパン政策の起源/
平安京荒廃が生んだ「かのように」の論理/
『芋粥』に見る官治国家の起源/
院政がリセットした「二五年間同一内閣」/
「空虚な中心」を囲んだ家産官僚/
令外官の増設は温泉旅館形式/
古文書が語る『文字禍』の世界

第二章 中世篇
バッファーの多すぎる国/
イエ制度は自然ではない/
三国志としての源平合戦/
東西分割統治と道州制の起源/
戦後歴史学が求めた統治権の理想/
貞永式目はマグナ・カルタか/
元寇が領域国家の起源/
南北朝は何を転換したのか/
未完のプロジェクトとしての「江湖」の観念/
一揆の傘連判は「空虚な中心」/
印判状が作った近代行政の起源/
中途半端だった義満と信長/
ポピュリスト秀吉と起源のクリアランス

第三章 近世篇
東アジアと日本の動乱はつねにリンクする/
徳川氏がコピーした皇祖皇宗の神話/
中世を終わらせた元禄時代/
忠臣蔵はブラック企業の起源/
歴史は進歩か、反復か/
武家社会が作った「失敗の本質」/
公共事業入札と復興予算流用の起源/
享保の飢饉が生んだ自己責任論/
「災害ユートピア」は現出したか/
江戸が示したアソシエーショニズムの限界/
アウトローだけが自律する社会/
「四民平等」幻想からこぼれ落ちるもの

第四章 近代篇
幕末は不真面目な改革の起源/
西洋化できずに中国化した明治/
「市民」を探した丸山眞男の苦悩/
荻生徂徠から進歩しない論壇/
元老制はバッファー政治への回帰/
議会政治は二党制よりも二頭制/
都市を食べさせることに失敗した政党政治/
さも自然を作為する社会/
日本文化論と「古層」の永久運動

第五章 戦前篇
第一次世界大戦に起源を見る/
大正デモクラシーは議会制不信の起源/
天皇に独占された一般意志/
アジア主義に可能性はあったのか/
儒教を使いこなせなかった日本人/
江戸時代に回帰した「田舎臭いファシズム」/
総力戦体制も律令以来の背伸び/
古代をも下回った「無責任の体系」

第六章 戦後篇
敗戦まで続いていた権門体制/
挫折した「天皇に代わるもの」の夢/
ウィキ版『太平記』としての歴史論争/
日本を変えなかった高度成長と六八年/
「大きな物語」の終わりと「津波てんでんこ」のはじまり/
八〇年代が隠蔽した長い江戸時代/
混乱の平成へ、そして歴史学は何をすべきか

あとがき 東島誠

索引
http://www.ohtabooks.com/publish/2013/08/29153651.html

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カテゴリ: 和書(哲学・思想)
感想投稿日 : 2015年4月25日
本棚登録日 : 2015年2月15日

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