あの人はなぜ定年後も会社に来るのか (NHK出版新書 644)

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  • NHK出版 (2021年1月12日発売)
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■私達が常日頃、特に意識することもなく当然と思っているような価値観のことを心理学では「スキーマ」と呼ぶ。
■ヨコの関係づくりを阻むスキーマとして考えられるもの。
・私はどうせ嫌われる
・私が誰かから愛されるわけがない
・私は誰とも親しくなれない
・本当の自分を見せらたら嫌われる
・誰かに何かお願いするなんて迷惑がられるだろう
・人に騙されるぐらいなら信用しない方がまし
・ここは職場なのだから割り切った関係でいなくては
・誰かが自分によくしてくれるのは相手に何かメリットがあるから
■スキーマは人生観のようなもの。
■一度見に就いたスキーマは自分が世界を捉える物差しとして基本的に人は一生持ち続ける。
 スキーマはあくまで親との関係で学んだ法則に過ぎず全世界の人に時を超えて適用できるような普遍のルールではない。しかし多くの人は「それが当たり前」なので自分のスキーマについていちいち疑問に思ったりしない。
 親だけではなく友達にも先生にも上司にも異性にもそのスキーマを当てはめていく。
■自分の感情を封じ込めることを心理学では「抑圧」という。
 周囲の環境に適応するために感情を外に出さないようにし続けると、そのうち「自分がいったいどんな感情を持っていたかが分からない」という状態になる。
■「定年後にやりたいことが何もない」という状態は会社という環境に適応しようと感情を殺し続けてきた結果である。
■私たちが気付いている自分自身の感情は氷山の一角。気付いている感情の下には自分が認めたくないような感情が抑圧されている。
 自分に都合がよく受け入れやすい感情だけが認められ、その根っこにありながら本人にとって受け入れがたい「本当の感情」には気づいていない。
■長年感情を抑圧してきた人にとっては、最初は心ではなく身体の感覚からはいる方がうまくいく。この体の感覚から自分の感情に気付いていく方法の一つに「マインドフルネス」がある。
 マインドフルネスとは周囲の出来事や自分の身に起きていることに十分な注意を向けるためのもの。
■親密な関係における対話の手順
①まずは相手の心情について共感する
⓶相手に対して「大事なんだ」「今後も親しくしていきたい」という気持ちを伝える
③自分の心情を伝える
■「学ぶこと自体が好きで資格取得の勉強を頑張れる」これは外部の評価を全く必要としていない。やっていること自体が「好き」だからである。こうした動機付けを心理学では「内発的動機付け」という。
 「内発的動機付け」とは対照的なものを「外発的動機付け」という。
■子供たちに対して効果的な学習を促すためには内発的動機付けがベスト。

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感想投稿日 : 2021年8月27日
読了日 : 2021年8月25日
本棚登録日 : 2021年8月25日

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