この時代にこの内容を書いていることに驚く。ほぼ全編、変態的な登場人物が倒錯した思考、性癖を語る。初期短編集とのことなのだが、谷崎潤一郎の筆力もさることながら初期衝動のような欲望の噴出を形にしているように思う。情報が少ない時代だからこそ、体の内側で鬱々と発酵した黒い欲望を抑えきれずに噴出させている。読みごたえのある短編集。
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- 感想投稿日 : 2016年3月24日
- 読了日 : 2016年3月24日
- 本棚登録日 : 2016年3月24日
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