久しぶりに素晴らしい本に出会いました。この本の著者には、2年前に読んでいて、星4つの評価をつけているのですが、今回の本はそれ以上の衝撃でした。
紙の本を読むことの重要性、ネットでは得られない本の素晴らしさ、速読や多読で読んだ本の冊数を競う(見栄を張る)よりも、自分の血肉(教養)となる読書をすることの大切さが強調されています。私自身がこの数年間に経験したことが、殆ど同じ形で書かれていて、より共感を得ました。
この本には、読書の大切さは勿論、読書で得られた知識、著者と対話したくなった気持ちを、実際にどのように行動につなげるべきかについてまで、踏み込んで書かれています。著者の大岩氏が開催しているセミナーを受講してみたく思いました。
以下は気になったポイントです。
・本は、通常では会えないような著名人の頭の中を、たった1500円で知ることができる。今では出会えない偉人の考え方が、古典を読めばわかる(p26)
・人前で話すなど、アウトプットを前提とした読書というのは、非常に頭に入りやすい。人前で話す機会が多い人ほど、読書をした効果は顕著に現れる(p35)
・成功者の書いた本を読んでも、自分が成功できるかはわからない。それでも自分を信じて努力を続けた人が結果を残す(p37)
・大学入試は2020年から大きく変わる、暗記中心の「知識偏重型」から、思考力・判断力をいろいろな角度から評価する「知識活用型」への移行を目標としている(p46)
・古典、哲学、名著を読んで、人間の奥底にある真理や考え方を学ぶことで、自分の考え方が変わり、人の悪口を言わなくなり、「人のせい」「環境のせい」にしなくなった(p58)
・本棚の中に、サイエンス・歴史・経済、のセル(カテゴリー)のない本棚は、社会人としてはつくってはならない(p61)
・知識とは、ただ知っている、理解していることだけに対して、教養とは、ただ知っているだけではなく、創造的な心の豊かさや理解力、芸術、宗教など、知識をさらに応用したものである(p69)
・知識のもととなるのは、「経験+読書」である(p73)
・教養のレベルで、付き合う人が変わるように感じる。自分の教養レベルが上がるにつれて、どんどん素晴らしい人が周りに増える(p82)
・セミナーなどに参加して、その内容を実際に行動するのは、10%、それを継続する人は、その1%、つまり、0.1%の人しか継続して自分のものにしない(p86)
・読書を教養に変えるためには、たくさん、いろいろな種類の本を読み続けてほしい(p88)
・読書は、たくさん読むのが凄いのではなく、本の内容を覚えている、実際に行動に起こしている、継続して結果を出している、ということが大切(p99)
・腑に落ちる=納得する、合点がいく、腹にすとんと落ちる、という言葉がぴったりとくるジャンルは、やはり古典や哲学である(p101)
・自分の付き合う人が変わると、今まで反対されていたことに同調されて、応援されるようになってくる(p116)
・ネットでなく本で調べるといいかというのは、自分で調べていることにたどり着くまでに、苦労すればするほど頭に残りやすくなるという性質が人間にあるので(p132)
・安直に速読を目指すのではなく、本をたくさん読むことで知識が増え、自然と読むスピードが速くなる速読を目指すべき(p148)
・経営者の本は、前提である事例やケースが大企業のことが多く、中小企業にあてはめにくいこともある(p152)
・目標とする人に近づきたかったら、お金を払って相手のお客様になるのが鉄則で、そうでもしないのに、タダで何とかしてほしいというような人を相手にしている時間はない。セミナーにおいてでも、無料で何とかしようという発想を持っている限り、格差社会から抜け出せない(p158、188)
・古典の代表的著作として、「運命を創るー人間学講話」「論語の活学ー人間学講話」(p160)
・ソクラテスの名言の中に、「本をよく読むことで、自分を成長させていきなさい、本は著者がとても苦労して身に付けたことを、たやすく手に入れさせてくれる」(p208)
・アリストテレスの弁論術として、1)ロゴス(論理):何を伝えたいか、2)パトス(情熱):人に伝えたい!という情熱、3)エトス(倫理):人は言葉以外のものを見ている(p209)
2016年10月30日作成
- 感想投稿日 : 2016年10月30日
- 読了日 : 2016年10月30日
- 本棚登録日 : 2016年10月29日
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