社会人になって10年ほど経過した、今から20年程前から株式や投資信託を購入してきましたが、日本円で計算すると計算すると収支トントンで、良い勉強にはなりましたが資産は増えることはありませんでした。
5年ほど前に、もう投資はやめて地道に積み立て貯金しかないのかなと諦めかけていたところ、この本の著者である澤上氏の本に出会いました。証券会社に勤務されていて、これからのファンドを社内で作ろうとしたらそれが叶わず、だったらということで自分で会社を起こして、自分の理想にあったファンドを作られたという内容でした。お陰さまで、私が体験した投資信託で唯一と言っていいほど、プラスの実績をあげています。
この本は澤上氏の書かれた最新本(2022.4.29現在)です、彼の主張は一貫性があります、来るべきインフレ時代に備えて準備を進めていきたいと改めて感じました。
以下は気になったポイントです。
・石油ショック時にはOPEC諸国との交渉という道もあった、その交渉で世界中の富が産油国へ流れ込んでいたものを、国家間あるいは民間企業への融資という形で、資金韓流を促すこともできた、ところが今回のコストプッシュ・インフレは多方面から押し寄せてくる一方的なインフレ圧力である(p27)
・バフェット指標(株式市場の時価総額が、その国のGDPの何倍か)によれば、米国株は超のつくほど割高になっている、その背景にはGAFAMやテスラといった新興の急成長企業の株価上昇が貢献している(兆円3)
・債券投資の恐ろしさは株式市場の暴落どころではない、その恐ろしさが40数年ぶりに襲ってこようとしている(p71)
・現在は中央銀行が金融の量的緩和政策の一環として、市中から国債をどんどん買っている、つまり吸い上げてしまう、そうすればいくら国債を増発しようとも金利の上昇は抑えられる(p140)
・米国では2000年2月からのITバブル崩壊、01年9月の同時多発テロ、07年8月のサブプライムローン問題、08年9月のリーマンショック、2020年2月のコロナ問題と、数々の株価暴落を経験しているが、それでも不死鳥のように復活して最高値を続けている。その大きな要因として、年金マネーの存在があった(p178)
・現在までインデックス運用が良かったのは、株価全般が長期のトレンドを追ってきたから、それも世界的な過剰流動性と年金マネーを中心としたコンスタントな買いが、株式市場をガッチリと下支えしてきたから(p183)しかしこれからは年金マネーは純減のトレンドを追い始めている(p202)
2022年4月29日作成
- 感想投稿日 : 2022年4月29日
- 読了日 : 2022年4月29日
- 本棚登録日 : 2022年4月27日
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