本書は、天保9年(1838年)に長野県に生まれた田中芳男さんという博物学者が作成した『捃拾帖(くんしゅうじょう)』(=スクラップ帳)である。100冊ほどある中から130点を紹介。
幕末から明治、大正にかけて世に出回ったチラシ、領収書、万国博覧会の入場券、菓子の包み、野菜の種袋、などなどの収集物をカラー写真に収め解説を加えた一冊。
東京大学図書館に厳重に保管されているものだそうな。
今の感覚では、普通に捨てている紙屑になるようなもの達だが、当時の感覚は、どうだったのだろう?大事にコレクションするような人はいたのだろうか?
若かりし頃は、酒瓶の王冠とか、メンコなどは集めた覚えがある。すでに、手元にはないものばかり。今でもつい手に取って持ち帰り、ストックしているのが、映画のチラシや半券。100年後にも残せるほどの保管ができれば、多少の価値は生まれかもしれない。私が死ねば、即廃棄されるのがオチだろうなぁ。
そんなことを思いつつ、ページをめくる。できれば虫眼鏡を手元に置きながら読み進めたい。当時の生活を思い浮かべ、歴史に思いを馳せてみるという楽しみ方ができる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・地理・旅行記
- 感想投稿日 : 2022年1月19日
- 読了日 : 2022年1月19日
- 本棚登録日 : 2020年9月6日
みんなの感想をみる