プラトンの哲学はなく
プラトンとの哲学のみがあると納富さんは説く。
プラトン自身は対話篇には登場せず、
もっぱらソクラテスとその他の人達によって対話は進む。
プラトンはこういったニュアンスのことをソクラテスのセリフとして伝えている。
「私の言うことを全て鵜呑みにするな」と。
自分の頭で考えることの重要性、
そこにこそ哲学の真価があるということをプラトンは伝えたかったのではないだろうか。
たしかに、
プラトンの本を読むと中期作品以降には答えが出てくる。
だが、だからと言ってそれが正しいという答えをプラトンは伝えたかったわけではない。
対話を通して、
絶えず探究していくというこの「哲学」するという姿勢を伝えたかったのではなかろうか。
ゆえに、
弟子アリストテレスもイデア論を否定し形而上学を打ち出し、
ニーチェも神や哲学を否定し超人を打ち出す。
まさに
アリストテレスやそれに続くものたちは、
プラトンを批判しながらプラトンの教えに真の意味で忠実だったのではないか。
そこような所感。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年2月27日
- 読了日 : 2019年2月26日
- 本棚登録日 : 2019年2月26日
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