ランボー・クラブ (ミステリ・フロンティア 42)

著者 :
  • 東京創元社 (2007年12月1日発売)
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本棚登録 : 58
感想 : 14
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フランス語など習ったこともない不登校中学生の僕が、なぜ、サイト<ランボー・クラブ>のトップページに掲げられたフランス語の詩を読めるのだろうか?
僕はいったい誰なのか?
ある日、ランボーの詩が書き換えられ、その詩が暗示する殺人事件が・・・。

子供のころの記憶との齟齬を感じ、自分に自信のもてない色覚障害の少年サイドと、
人捜しの依頼をうけ、東奔西走する体育会系の女探偵サイドで話がすすんでいきます。
重苦しい少年パートと元気な探偵パートといったふうにメリハリがあって、読みやすかったです。

序盤から、少年に何かがあり、母が何か秘密を抱えているのが明らかで、誰も彼もがあやしくてぐいぐい読まされてしまいました。
そして少年と探偵が真相に気付くあたりの伏線も巧かったです。
ただラスト、一番盛り上がるはずの謎解きがやや説明調だったり、犯人がいかにもな行動や告白をしちゃうので萎えてしまったのが残念。
あと、今回も密室トリックがありましたが、そういうトリックを無理に盛り込まないほうがすっきり楽しめたかな。

ホワイダニット、ホワットダニット作品としてはじゅうぶん楽しめる作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(日本)
感想投稿日 : 2010年10月3日
読了日 : 2007年12月11日
本棚登録日 : 2010年10月3日

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