著者の本は初めて読んだが、かなり期待外れだった。
悪についてもう二段、三段掘り下げた考察を期待していたが、「悪を探す名著紀行」の様な展開で、著者の悪に対する見解は上っ面だけのものにとどまり、後は聖書や古典文学に語らせて終わり。
本人の考えをもっと聞きたかった。
敢えて議論の対象の定義を狭くして自分の知っているごくごく狭い世界に読者を引き込み、その世界の中だけで語られた感じ。
資本主義が悪を培養するという説はいただけない。社会主義でも官僚の腐敗や一部特権階級への富の集中は厳然としてあり、資本主義が悪を生む根本原因とは考えられない。悪を生む原因はもっと深い所にあるはず。
ここまで言うと失礼だが、本を読んで世界が広がるのではなく、逆に世界が狭くなる珍しい本。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年2月24日
- 読了日 : 2016年2月24日
- 本棚登録日 : 2016年2月24日
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