なんて素敵にジャパネスク (第6巻) (白泉社文庫)

  • 白泉社 (1998年3月18日発売)
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本棚登録 : 226
感想 : 11
5

スピンオフの中でも夏姫の話が特に印象に残っている。

瑠璃姫のように活発な少女だった夏姫。乳姉妹である融や、彼の親友の高彬たちと一緒に遊ばなくなったのは高彬を「なんとなく好き」から異性としてハッキリと意識し始めたのと、彼女の姉が公達と身分違いの恋をしているのを知ってしまったからなのかな。賢くて勘の良い夏姫は「姉の恋は上手くいかないだろう」と予感し、ならば自分の片思いも見込みがないに違いないと幼いながらに考え、身を引いたと察する。のちに姉の恋愛関係は破綻。

月日は流れ、いつまでも中将を諦めきれない姉のことをなじる夏姫。それは高彬への叶わぬ想いや、自分にないものを持ち合わせている瑠璃姫への嫉妬心を断ち切るためでもあったのだと思う。女心の機微まで10代の私には読み込めなかったわ。大人になって読み返してみるのも良いものだ。

コミックスの夏姫は美人過ぎず、すました感じが高級女房の雰囲気に表れていて、なかなか良い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2023年4月11日
読了日 : 2023年4月1日
本棚登録日 : 2023年4月1日

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