突飛な謎と合理的な解決。作者がもっとも得意とするパターン。「なぜ、死体の首にネジが埋め込まれていたか」に対する答えには、なるほどと膝を打つ解答が用意されている。ただ、それ以外はといえば。『タンジール蜜柑共和国』に書かれた奇妙な描写の数々に対する答えは、結局は事件と何の関係も無いし、その答え自体「だから、なに」で終わってしまう。『眩暈』のそれが深くストーリーと結びついていたのとは対照的。実際の事件も、最後はえらく唐突に終わってしまうし。読者置いてきぼり、な感じは否めない。
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- 感想投稿日 : 2004年11月20日
- 読了日 : 2004年11月20日
- 本棚登録日 : 2004年11月20日
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