「殺すな」と「共生」: 大震災とともに考える (岩波ジュニア新書 252)

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  • 岩波書店 (1995年4月20日発売)
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小田実 「殺すなと共生」

人間の基本的人権〜命の大切さ(殺すなの思想)、価値観の異なる人との共生〜について考えた本。戦争被害者であり加害者でもある日本の立場から 平和主義と民主主義を わかりやすく論じている。

共生とは 排除や差別をしない、自由を奪わない、平等で対等な関係を前提としている。仲良くすることは できなくても それくらいなら 共生できるかもしれない。


著者が目指すのは、絶対的平和主義(自衛戦争認めず)に基づき、非軍事的活動により 市民社会に貢献する民主主義。


命の大切さ(殺すなの思想)について
災害や戦争による無意味な死(難死)の批判〜人間はこんな風に殺されてはいけない

共生
*平和主義と結びついた民主主義〜対等、平等、自由な人間関係が保たれた共生
*人との共生のほか、自然との共生もある
*価値の優劣ではなく、価値が異なることを認めるのが重要


民主主義
*民主主義の理想=平和主義と結びついた民主主義
*民主主義の現実=平和主義でない国がある以上 理より力が優先される→平和主義と民主主義は 絵に描いた餅〜努力が大事


平和憲法〜敵が攻めてきたらどうするか
*平和主義の原理に基づいて 世界に重要視される国になる
*戦争ばかり行ってきた世界の在り方を変える
*核戦争=全てを破壊する戦争→戦争をするかぎり 人間は救われない

良心的兵役拒否制度
宗教上の理由、平和主義の理由により 兵役拒否。ほかの非軍事的活動により 市民社会に貢献する


「アメリカは 人種のるつぼ でなく、人種のサラダであるべき」
それぞれの持ち味は 全て残って、それでいて 全体が サラダとしても美味しい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月8日
読了日 : 2020年4月8日
本棚登録日 : 2020年4月8日

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