新装版 考えるヒント (3) (文春文庫) (文春文庫 こ 1-10)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年5月10日発売)
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小林秀雄 「 考えるヒント 3 」講演録。死生観、芸術論、文学論の随筆。心に残る言葉が多い。3 が一番良かった

生と死について
*兼好〜生が終わって死が来るのではない、死は常に生の中に在って 知らぬ間に 実現する
*死を目標とした生しか 私達には与えられていない〜それを納得した者にとって、よく生きる事は よく死ぬこと
*獅子文六の絶筆「牡丹」死を得る工夫〜牡丹の花に従う

美を求める心=物の美しい姿を求める心
*美=物の美しい姿
*美しい姿を求める能力は 養い育てないと衰弱する
*見ること→慣れてくれば わかる→見ることは喋ることではない〜美には人を沈黙させる力がある
*歌は 感じる言葉の姿、意味のわかる言葉ではない
*ゴッホの絵は 絵というより精神

喋ることと書くこと
*本を読む人は 自分の自由な読書の時間を持っている〜読者は聴衆のような集団心理を経験しない
*作家は 自分の裡に 理想的読者を持つ

悲劇について
*悲劇は 人生肯定の最高の形式〜悲劇は 人間に何かが足りないから起こるのではなく、ありすぎるから起こる

歴史と文学について
*歴史は決して二度と繰り返しはしない。だから僕等は過去を惜しむのである
*歴史とは 人類の巨大な恨みに似ている
*いい文学がいい歴史とは限らないが、いい歴史は必ず いい文学である

文学と自分について
*文学者は 思想を行う人でなく 思想を語る人だ
*文学は〜平和な仕事だ、将来の平和のための戦でさえない、仕事そのものが平和な営みなのである

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年12月21日
読了日 : 2018年12月21日
本棚登録日 : 2018年12月21日

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