「芸能と差別」の深層: 三國連太郎・沖浦和光対談 (ちくま文庫 み 22-1)

  • 筑摩書房 (2005年5月1日発売)
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俳優 三國連太郎 民俗学者 沖浦和光 の芸能民の差別の歴史に関する対談

芸能の差別されてきた歴史や三國連太郎氏の人生観から 人間の虚と実を描いてきた芸能の姿や 芸能の反国家的性質を理解できる良書。

面白かったテーマ
*親鸞の差別概念への批判、悪人正機との関係性
*鶴屋南北「 四谷怪談 」の色悪〜近世日本文学史上、最もすぐれた作品
*近世文化の発信地 浅草〜遊郭、芝居、賤民地区はワンセットの悪所論
*折口信夫 芸能始源論〜神と人をつなぐシャーマンの系譜
*竹取物語 〜先住民族隼人のヤマト王朝に対する怨念
*永井荷風〜芸術を虐待する官憲日本への批判

日本人の二重構造モデル〜日本列島の住民は 在来系(東南アジア系)と渡来系(東北アジア系)の二重構造である

日本人複合民族説〜先住民アイヌ、国津神系の固有日本人、インドネシア系、苗族、ツングース系騎馬民族、帰化した漢人

騎馬民族征服王朝説〜東北アジアの騎馬民族が朝鮮に南下し、高句麗を建国し、百済を支配し、九州北部から近畿に進出し、ヤマト王朝を建国した

ヤブ医者の本当の意味に驚く〜漢字では 野巫医者であり、貧しい民衆の医療にあたったシャーマン系の民間医を意味する




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感想投稿日 : 2021年3月19日
読了日 : 2021年3月19日
本棚登録日 : 2021年3月17日

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