東京書籍 ギボン 図説 ローマ帝国衰亡史
ローマ没落論の古典的名著。図版を加えた約600ページの短縮版。短縮感はない。
没落論の性質上、隆盛期のカエサル、アウグストゥスを省略したギボンの意図はわかるが、五賢帝時代から没落論をスタートさせているのは 意外。平和が没落の始まりであり、征服拡大とともに 没落が進んでいる。
平和の中に ローマの支配秩序を見出し、征服拡大により内乱や外敵との争いが激化していくローマの軍事国家ゆえの宿命と限界を読みとれる。
「世界史上人類が最も幸福で繁栄した時期は〜ドミティアース帝の死からコンモドゥス帝の登位まで」としているのは、共和制に 幸福と繁栄の源を見出しているということか?
最終章、ユスティニアヌス帝とテオドラとのエピソード中心。歴史書というより小説のように生きている人物が描かれている。ローマの終わりは華やか
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年8月11日
- 読了日 : 2022年8月11日
- 本棚登録日 : 2022年8月10日
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